- 説明
養蜂家中島さんが自然と在来種ニホンミツバチと共生し出来上がった、
美味しくて希少なニホンミツバチ100%の純粋蜂蜜のご紹介です。
セイヨウミツバチと比較すると身体も小さく、とれる蜂蜜の量も少ないニホンミツバチの養蜂をはじめた愛知県の中島さん。青年時代に、花の開花に合わせて蜂と巣箱と一緒に北上する養蜂家の生活に憧れて、定年を機に本格的に養蜂をはじめられました。
養蜂家としてのキャリアはまだ数年ですが、ニホンミツバチを植物のように慈しみ育て、ニホンミツバチとの関係性を重視し、量よりも質を大切に美味しい蜂蜜作りをする中島さんを取材してきました。
長年憧れていた「養蜂の世界」へ。
中島さんは中学時代に読んだ雑誌に、花の開花に合わせて蜂の巣箱と一緒に北上する養蜂家の生活を知り、以来ずっと憧れていたそうです。
そして会社を勤め上げ、いよいよ定年を迎えるという3年前に、長年の夢でもあった養蜂に取り組むことを決心。
ご近所で活動される養蜂家さんの所に通いながら、養蜂のことについて話を聞くうちに、その方からの薦めもあって最初はニホンミツバチの群を分けてもらい、養蜂をはじめられたそうです。
そして、ニホンミツバチとの出会い。
「自然相手、生き物相手だから養蜂はだれにでもできるものではないと想います。田舎のおじいさんが家族や近所の人のために少しだけ養蜂するような世界があっても良いと想う。」
現在、日本で主流の養蜂は、明治期にイタリアから入ってきた「セイヨウミツバチ」の養蜂。同じミツバチでも、身体の大きさはもとより生態や習性も異なり、セイヨウミツバチと比較するとニホンミツバチの養蜂は、効率が悪くまた難しいということで徐々に衰退していました。
当初、中島さんも「セイヨウミツバチ」での養蜂を奨められ、トライしたそうですが、攻撃的な性格のセイヨウミツバチとの相性が合わず、ニホンミツバチでの養蜂をスタートしたそうです。
しかし、周りにはニホンミツバチの方法をされている養蜂家もいなく、独学でスタートしたそうです。

ニホンミツバチとセイヨウミツバチの違い
群れや個体の大きさはもちろん、性格まで違います。
キーワードは「穏やか」「働き者」そして「チームワーク」!
ご存知のように蜂は群れで生活をする昆虫です。セイヨウミツバチは同じ巣で生活する1群あたり平均すると2万匹いるそうです。一方、ニホンミツバチはおおよそ半分程度と言われています。
さらに、セイヨウミツバチとニホンミツバチの単体で比較しても差は歴然としています。まず大きさが違います。働き蜂の大きさで比較するとセイヨウミツバチは、12~14ミリ程度。ニホンミツバチは10ミリ~13ミリほどで、一回り小さいのです。
そして、何よりも違うのは「性格」です。
養蜂に適したセイヨウミツバチにも関わらず、管理のために巣箱を開けたりする際には、どれほど慣れた養蜂家でさえ、完全防備の服装で臨みます。なぜなら、攻撃的な性格から人をさすことが多いからです。
一方、ニホンミツバチはの性格は「穏やか」。
ご覧の通り、中島さんは半袖に素手で巣箱を明け、蜂が千匹もうごめいている巣枠を持ち上げて作業をしています。
さらにニホンミツバチの特徴としてあげられるのは、「働き者」「チームワーク」だそうです。 朝から晩までの長い時間働いたり、多少の雨の日でも巣を飛び出して花の蜜や花粉を集めるのは、ニホンミツバチに多いそうです。
また一番の強敵であるスズメバチが巣に入って来ないようにする防御も、まるでサッカーのPKのように巣の入り口で陣を作り、大きな音を立て、体温をあげて、スズメバチを威嚇するそうです。(セイヨウミツバチは1対1でスズメバチと対決することが多いそうです。)
そのような習性からもニホンミツバチは働き者でチームワークが良いことが分かります。
まさに「ニホン」と付くだけあり、どこかの国民性に似ていると想いませんか?
ニホンミツバチの蜂蜜が希少な理由。
ニホンミツバチの養蜂家がまだまだ少ないこと。
そしてセイヨウミツバチの20%の生産性という事実。
上記の通り、ニホンミツバチは養蜂に適した蜂として発展してきたセイヨウバチに比べ、群れに属する個体の数も少なく、また身体のサイズも小さい。さらに花から集めた花粉や花の蜜が、蜂達の体内を経由し、糖度の高い蜂蜜となるまでにかかる時間もニホンミツバチの方がかかるそうです。
つまり採れる蜂蜜の量がセイヨウミツバチに比べ、なんと4~5分の1程度しかないのです。
日本の養蜂でも主流のセイヨウミツバチに比べて、ニホンミツバチで養蜂をされる生産者さんはまだ少なく、さらに採れる量もセイヨウミツバチの20%程度。これがニホンミツバチの蜂蜜が希少で高価である理由です。
「声をかけると、伝わっている気がする」
できるだけ自然な養蜂を心がける中島さん。
ご自身の経験もさることながら、周りにも経験者がいないなか、ニホンミツバチの養蜂を独学ではじめられました。当初は、蜂の群れまるごと逃げられるなど苦労もあったそうですが、ニホンミツバチの生態、習性を学びながら、ニホンミツバチが活動しやすい環境を整え、少しずつ蜂蜜の収量も増えてきました。
もともと(セイヨウミツバチと比較すると)病気には強いニホンミツバチ。抗生物質も使用せずできるだけ自然な養蜂を心がけているそうです。
ニホンミツバチと養蜂家の共生
「蜂蜜は蜂にとっても大切な栄養源だから、蜂蜜を採取する際には、蜂のことを考えて適量を蜂から分けてもらっています。」
働き蜂が巣の外へ飛び出し集めてくる花の蜜や花粉。巣の中に戻ってくると、箱の中で別の蜂がその花の蜜や花粉を受け取り、蜂から分泌される酵素と混ぜ合わせて、羽を扇風機代わりにして水分を蒸発させながら、糖度の高い濃厚な蜂蜜に仕上げてゆきます。 蜂蜜は吸湿性が高いので、糖度が高くなった蜂蜜には、六角形の巣房に蓋がされ貯蔵されます。
しかしこの蜂蜜は人間のために作られたのではなく、あくまでも蜂達が生き延びるための栄養源として貯めたものなのです。
だから、この蜂蜜を必要以上に採ってしまうと、その巣箱の蜂蜜の群れは冬を越すことができなかったり、弱ってしまうのです。
ニホンミツバチの蜜源は周囲3キロ程度。地域の自然環境がミツバチの生態のバロメーター。
ニホンミツバチの働き蜂が花の蜜や花粉を集めるために飛び回るのは周囲3キロ程度と言われています。
中島さんは現在は自宅に蜂の巣箱を置き、養蜂をされています。(一部近隣の畑や空き地なども借りていらっしゃるそうです。)名古屋駅から電車で30分程度の郊外の住宅地ではありますが、上の写真のように自宅前には大きな池が広がり、緑豊かな環境が広がっていました。
季節毎に咲くいろいろな花の蜜や花粉を働き蜂が集め、それが巣の中でさらに多くの工程を経て、濃厚な蜂蜜になります。
ニホンミツバチの蜂蜜の美味しさとは。古来より重宝された天然の蜂蜜。
ニホンミツバチの巣から収穫する蜂蜜は多くて年に2回程度。定期的に収穫できるセイヨウミツバチとは異なり、量も少ないニホンミツバチの蜂蜜。
風味も実はセイヨウミツバチの蜂蜜と異なります。
蜜源もいろいろな花から集め、また糖度の高い蜂蜜になる過程において、多くの時間がかかるニホンミツバチの蜂蜜。一口食べてみると、舌に染み込み口全体に広がるような醗酵的酸味を感じます。
多様な花から集められた蜜が巣の中で蜂の体内を経由した結果生まれる独特の風味。強い果糖の甘みに多糖類のオリゴ糖のまろやかさ。そして醗酵的な酸味に各種アミノ酸も加わり滋味溢れる個性的な味が楽しめます。
中島さんがニホンミツバチと共生し、出来上がったニホンミツバチの希少な蜂蜜。もちろん自然のまま。天然のまま。精製、加糖、加熱は一切せず瓶詰めしました。
